金光山大師堂 倉津寺について

金光山大師堂 倉津寺(こんこうざん たいしどう くらつじ)

当山は、元来、真言宗醍醐派に属し、1300年代に創建された古刹でございます。
かつては郡上郡に所在しておりましたが、長良川中流付近の現在地に移築されてからおよそ700年の歴史を刻んでおります。

現在は真言宗の単立宗教法人 倉津寺として、地域の人々に愛される寺院を目指しております。

本尊

御本尊について

当山は、御本尊として十一面観音菩薩・弘法大師・大聖歓喜天・天上聖母・関聖帝君をお祀りしております。
そもそも、建立当時は空海上人が修行の折、自ら霊木より刻まれたと伝えられる十一面観音菩薩像をお迎えしておりましたが、終戦後の混乱の中消失し、現在に至っております。

十一面観音は、十一のお顔を持つことで、あらゆる角度から衆生の声を聞き分け、苦悩を見逃すことなく救いの手を差し伸べるとされる、深い慈悲の象徴です。

そのお姿には、憤怒・哀しみ・安らぎといった様々な相が宿り、あらゆる人々の願いに応じて力をお示しくださると信仰されています。

この十一面観音と対を成し、双身仏として信仰されてきたのが大聖歓喜天です。
また、天上聖母と関聖帝君は、いずれも日本のみならず、中国台湾で広く崇められております。

守護神 善女竜王尊と不動明王について

いずれも当院の脇侍として御本尊をお守りしてくださっている仏様です。
善女竜王は真言宗醍醐派の守護神として古来より信仰されてきた清瀧権現の象徴であり、その本地はインドの蛇神ナーガラージャであります。善女竜王は、弘法大師・空海上人が唐より真言密教を伝える過程において、その守護を得たとされる水神・龍神であり、密教における重要な守護尊の一つです。
当山においては、その霊験を顕すものとして、ナーガ神の姿を宿す石像が古くより祀られ、地域の水脈の守り神として、人々の暮らしを見守ってまいりました。

不動明王は、仏教における明王の一尊で、特に密教で信仰されている仏様です。大日如来の化身とも言われ、恐ろしい忿怒の相のお顔立ちで、背後には炎を背負い、右手には智慧の剣、左手には縛る縄を持っておられます。
恐ろしい形相で煩悩を断ち切り、人々を救う慈悲深い仏として知られています。これら二柱の仏様も、当山の守護神としてお祀りさせていただいております。